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体験という宝

体験という宝

 この仕事に携わっていて思うことは、どんな時にも、その時その時の、最先端の情報に出合いながら、建築工事業者がその「体験」を持たない人が多いということです。

 例えば、高断熱高気密の家にはどのような問題点があるか。

  ①  セコムの非常ベルが効かない!

 佐土原町に建築された、健康増進住宅(快護支援モデル)で、先頃誤ってセコムの非常ベルを鳴らす騒ぎとなった。

室内には「異常発生、異常発生」の音声が大音量で流れたにもかかわらず、一歩外へ出ると、殆どこの大切な警報音が聞こえなかった事実。

 これはあまりにも高断熱高気密の施工水準が向上したため、外部の音が室内に入らないのと同時に、内部の音も外に漏れないということに起因するものです。

「あまりにも」という表現を用いましたが、決して必要以上ということではなく、技術的にも、住宅性能的にも、「もっと、もっと」高断熱高気密を実現する努力が求められていることも申しそえます。

 トリプル硝子のサッシや分厚い断熱材、気密テープの利用によって実現された住環境はこれまでの常識を変えなければならないことを示しています。

 セコムは回転燈の点滅で、外部に異常を知らせると同時に、外部スピーカーで異常を周囲に告知できるものとする時代がやって来ていることを踏まえ、商品開発を行うべき時がやって来ているということです。

 私達建築工事に携わる者も、そのことを踏まえて、顧客にアドバイスが必要と認識を新たにした次第です。

  ②  台所の排気は強力な程、吸気が必要となる。

 「換気」が建築基準法で義務づけられていることは皆様ご存知と思いますが、換気方法に

 第一種換気 給気と排気を同時に機械換気する

 第二種換気 給気のみを機械換気する

 第三種換気 排気のみを機械換気する

以上の3種類が規定されている。

 高性能住宅では、第一種換気でなければ、特に温熱環境を満足できる性能を発揮できません。

 ところがなのです。住宅全体を1ヶ所で給気し、更に1ヶ所から排気する第一種換気では、換気される空気の量が一定となります。

臨時に、例えばお料理をされる時には、排煙の必要から大量の換気が行われることになります。この時住宅は一時的に大量の空気を抜き取られることとなり負圧状態になります。給気は一定量しかなく、一時的な強制排気の結果として、家全体の隙間という隙間から空気を取り入れて、排煙のためのパワーに気圧のバランスを取ろうという力が働きます。むろん排煙もうまく出来ません。

 自動給排という機能が付いた台所換気扇が必要なのです。

もっと専門的に言えば、自動給排だけでも建物内部は少し負圧になり、外気より気圧が下がるようです。

一箇所でも窓を少し開けて戴ければ快適な室内気圧となり、排気もスムーズです。

  ③  トイレの音が気になる。

 介護の都合でドアが折戸のスライド式であったり、引戸の場合は、トイレの使用時の音が気になるものです。

 対策としては設計の段階で、トイレを居間や台所から離しておくことも有効な方法になります。

 消音の為に清流の音がスピーカーで流れたりとかは体験された方も多いかと思いますが、実際に「その音」に出会う体験があると、やっぱり気になってしまうものですので・・・・・

  ④  水質はお茶でわかる。

 私の体験ですが、ある日出された茶を口にすると、プーンと「どぶ水」のような嗅気がした。この頃どぶ水と言っても若い方にはご理解戴けないかも知れませんが、「腐臭」と言えば、「え、そんな」と驚かれるかも知れないのですが、「そんな」臭いが水道水にはあるのです。

 若い女性社員の「はっ」とした顔を見ながら、「この水、浄水器からじゃないでしょう」と言うと、「そうです」とのこと。

 この女性、大変優秀な理系の方でしたので、浄水器まで使わなくてもと考えたようでした。

 安い茶の葉でも、おいしいお茶となる。

「水」の質によって驚く程の差が出るのです。

 体験することで、良くわかります。

以上、少しだけ、体験によって会得したことを述べてみました。

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