性能のコストは坪単価の数倍大きい。
暖房費用について検証してみましょう。
宮崎は温暖な気候風土とは申せ、一年という期間で見てみると、11・12・1・2・3月の約5ヶ月間が暖房の必要な月数となります。
ところで、ここで言う「性能コスト」を検証するに当たり、住宅の断熱方法や気密施工のレベルが重要な前提条件となります。
そこで、アイ・ホームが提唱する2050年型住宅の品質であれば、暖房コストや冷房コストが飛躍的に減少することになるのですが、具体的に、その根拠を以下の計算によってお示しいたします。
条件は、アイ・ホームの2050年型住宅で、1Fに7Kwの蓄熱暖房機を入れ、2Fに4Kwの蓄熱暖房機を入れた場合の5ヶ月の電気代を算出してみます。
先ず、年間を通じて、深夜電力の5時間通電割引制度がある。
これは、夜間電力のみを用い、しかも、5時間だけの通電で24時間ゆっくりと放熱と蓄熱を繰り返すことで、実現するこの蓄熱暖房機に限り実施される電気料金の割引制度のことである。
1Kw当たり210円の割引となります。
計算して算出された金額は、1年を通じて電気料金から割り引かれる。
{7Kw(1F)+4Kw(2F)}×210円=2,310円/1月当たり
よって、2,310円×12ヶ月間=27,720円/1年間当たり となる。
更に、使用時間と電気料金を算出するが、夜間電力料金は、昼間の電気料金の約1/3.7程度に割り引かれている為、以下のような電気料金になります。
① 1日当たりの電気代
1Kwhで7.19円
11Kwh×7.19円×5時間=395.45円
② 稼働日数
11月 15日
12月 30日
1月 30日
2月 30日
3月 15日 合計 120日
③ 全期間発生暖房費用
395.45円×120日=47,454円
全期間発生暖房費用から5時間通電割引の12ヶ月分を差し引くと、年間19,734
円となります。
47,454円-27,720円=19,734円
ところが、現実には、11Kwをフルパワーで蓄熱する日は、年間稼働日数の約50日程度で、残りの70日は65%程度で充分なのです。
それは、晴天比率が高い宮崎では、日中、太陽エネルギーで窓や住宅本体から吸熱しますので、蓄熱暖房機の放熱量が抑制されます。
現実には、晴天の小春日和の日にフルパワーで蓄熱するとオーバーヒート現象を起こします。
というわけで、
19,734円×50/120=8,222円と
19,734円×70/120×65%=7,482円の合計で15,704円
1ヶ月当たり暖房費は
15,704円÷5=3,140.8円となります。
尚更に、高鍋宿泊展示場の場合は、1階の7Kwのみの使用でほとんど足りてしまうようですので、2階には4Kwを取り付けておりません。
だから更にお安くなることは言うまでもありません。
2050年型住宅は年間の冷暖房費差額を24時間対応で、年間約10万円の節約を実現します。
60年間に節約できる費用は
60年×10万円=600万円となります。
今回は、こと冷暖房費に限ってのことですが、建築当初の坪単価に換算しますと、建物が40坪と仮定しますと、坪当たり15万円安くなることになります。
次回は、他の観点から性能は大きなコスト差を生み出すことをご案内してみたいと思います。