約百年前に建築家フランク・ロイド・ライトにより提唱された有機的建築の理念に基づいています。「有機的建築とは生きている建築で、それは時代に適し、土地に適し、人に適している建築のことです。」
これまでの住宅業界は大手プレハブメーカーや分譲メーカーなど、工業化大量生産に伴う合理化優先の中で、流行を生み出し続けてきました。結果的に数年後には時代遅れのデザイン住宅に、住み続けざるを得ない状況に陥りました。
私達は人が住まうという事を真剣に考え、自然の光や風を住まいに取り入れ、流れるような空間を創造し、流行に左右されない安らぎ、落ち着き、居心地の良さを求めた住まい。そして家族の絆や暮らし方が時代とともに子、孫に継承され、自然に育まれる空間づくりが住まいづくりの本質だと考えます。
「フランク・ロイド・ライトが生きていて、現代の日本において住まいをデザインしたら」という仮定と、人が住まう本質を融合させ、その精神を継承しながら現代のテクノロジーを取り入れつつ、さらなる住まいづくりの極みを目指します。
なぜ、木はこんな形なんだろう。どうして花はこんな形をしているのだろう。そんなことを考えてみたことがありますか?
動物にしろ、植物にしろ、生き物はその環境で生きていくために、自らの形を変化させてきました。逆に言うと、今私たちが目にすることが出来るのは、環境に対応することが出来た優秀な生き物だけです。たとえば、百合の花や貝殻。環境にピッタリ適合する形は無駄が無く、何十年、何百年経とうが本当に美しい。つまり、流行とは関係の無い普遍的な形なのです。
有機的建築とは、『そのような普遍的な形である自然の姿に学び、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするようにデザインすること』の重要性を唱えた建築家フランク・ロイド・ライトの住まいに対する考え方であり、その理念に従ってデザインされた数多くの住宅は、建築後100年の「時」を超えた今も大切に住み継がれています。